■home ■profile ■works ■gallery ■刻書 ■お問合せ

■刻書
刻書・刻字のこと

私は書道歴29年(商業書道含め)、刻書歴15年になりますが、刻書のきっかけは、公共サイン依頼の中で彫り込みによる河川看板を手掛けたのが最初でした。その後、公園の銘板など小型のものから大きなものでは、H1200×W3000?の間伐材を繋げた一枚看板など開発局関連で数多くの彫込みに携ることとなり、その間試行錯誤を重ねながら、そのノウハウを身に付けてきました。
私が現在取り組んでいる刻書群は、これまでの経験を活かすとともに、手彫りの味わいをより深く引き出すため、ノミによる荒々しい地肌を残しつつ、繊細なマチュエールを生み出せればと日々研究を重ねております。刻書は視覚的に人に感動を与えたり、心に訴えるものですから、彫り込みも文字のもつ意味合いを理解しながら、細部にわたって抑揚のあるメリハリをつけ、猛々しく見せたり、時には優しく、やわらかく表現したりします。又、人によって木と取り組む姿勢、手法、技術等異なると思いますが、芸術として完成度の高い作品作りを目ざすには、やはり刻書の基盤となる書の心得が大事だと考えます。書は納得のいくまで何枚でも書き、木は文字にマッチしたのを選び、レイアウトして彫り込むわけですが、こうした工程を踏むことで木と彫りと書が調和して、作品に何らかの共感を生む事ができればと念じております。
私自信、作家として刻書の展望に一石を投じる事ができるよう、日々研鑽を積み精進を重ねていきたいと思っております。

屋外看板では極寒の地、北海道という気象条件の中、風雨は勿論豪雪の影響も念頭におき堅牢な仕上げでなければなりません。
耐候、耐久性に優れ、劣化を防ぐ為にも乾燥材を使用して背面に曲り取り、割れ防止の補強クサビ加工をしたり、木材処理では防虫、防腐の下地処理から撥水剤の塗布まで一つ一つが大事な要素となってきます。彫込みの一方法として、まず文字のアウトラインを筋彫りし、ノミなどで山形にカマボコ彫りするのが一般的です。その後ペーパー等で入念に磨き、粉塵対策として、できるだけ表面を滑らかにし塗装の乗りを良くすることが必要です。文字の下地処理としてはパテを兼ねた下地シ−ラを使用し、仕上げには耐久性に優れたカシューや、ロイヤルカラーのOP塗装で仕上げることがベストです。又、木材も、耐候性ある2液性のフッ素クリアで表面をコーティングするのが最適です。以上のように屋外対応の彫り込み看板は様々な工程を踏んでの製作となる為、少々面倒ですが、完成した時の達成感が大きく、手放したくなくなる衝動に駆られる事もあります。


Copyright 2006 swisaido. All rights reserved.